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コラム
(55)Gambare Nippon! You can do better!!
マーティ・キーナート
みなさんはすでにご存知かもしれませんが、私は来日以来、日本の様々なスポーツチームに長年関わってきました。2004年仙台に楽天イーグルスが新しいチームとして日本プロ野球に参入し、最初のジェネラルマネージャーになりました。バスケットボールの仙台89ersでは2018年に新オーナーに移行した際、私もシニアジェネラルマネージャーになりました。
ここ数年間、その89ersは色々なチャリティー活動を行っていますが、中でも私が特に気に入っている活動があります。それは「CogyCogyプログラム」といい、89ersが、89点以上の得点を試合で挙げるたびに子供用の車椅子を1台、必要とされる病院か個人に寄附するという活動です。これはチームだけでなく熱心なサポーターの方々の支援を受けて行っています。
https://cogycogy.com
楽天イーグルスもチャリティプログラムを盛んに行っており、その中には「楽天の森」と呼ばれる活動があります。ご存知のように楽天イーグルスのマスコットは東北に多く生息するゴールデンイーグル(犬鷲)ですが、犬鷲はここ数年絶滅の危機に瀕しています。このチャリティー活動では、このような絶滅種を救う為に森林を守り生物の多様性を存続させる活動への寄附を人々に促しています。2021年にこのチャリティーは終了しましたが、楽天イーグルスは総額1,050万円の寄附を集めることに成功しました。
日本の多くのスポーツチームがなんらかの寄附活動をしている事と思います。しかしながら日本の多くのプロスポーツチームはあまり利益を生み出していない為、北米のプロスポーツの寄附活動に比べるとかなり色褪せてしまいます。北米では多くのスポーツチームが大きな利益を生み出している為、そのチャリティー基金も莫大なのです。
多くのチームが多額の寄附の基金を作っていますが、私が驚いたのは、アメリカのプロゴルフ機構が最大の金額を寄附にあてておりその額は年間でも3,750億円以上になるという事です。この金額は、NFL(ナショナルフットボールリーグ) 、NBA(ナショナルバスケットボールリーグ)、MLB(メジャーリーグベースボール)からのすべての寄附金額を合わせたよりも多い金額なのです。もちろん米国には多くのゴルフコースがあります。その数は15,500コースほどありこれは世界のゴルフコースの約43%を占めています。そこでは数々のイベントが行われており PGAツアーだけではなく、大小様々なツアーやイベント、大会が行われています。またPGAのポリシーでは、すべてのトーナメントは出来る限りの寄附を行うべしと定められています。その為、多くの寄附金額が集まりやすいのでしょう。
日本のゴルフコースの数は2,500ですが、その数は世界で2番目に多いのです。また大会も多く行われていますが、寄附金額は全米に比べればほど遠い金額です。
しかしながら、私が思うには、日本の問題はほかにあります。日本にはチャリティーという文化があまり根付いていないという事でしょう。世界チャリティーINDEXによれば、日本の毎年の寄附金額のランクは世界最下位で、最新のデータでは日本は119ケ国中、118位です。
頑張ろう日本!!
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マーティ・キーナート
<プロフィール>
アメリカ ロサンゼルス生。1968年スタンフォード大学卒。1969年慶応大学日本語コース修了。以来滞日40余年、一貫して日米を通じたスポーツビジネスに身をおく。2004年「東北楽天ゴールデンイーグルス」の初代ゼネラルマネージャー。仙台大学特命副学長/東北大学特任教授などを歴任。2018年よりプロバスケットボールチーム「仙台89ERS(エイティナイナーズ)」のオーナー代行兼シニアGM就任。
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