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コラム
(22) Living On Tips or an Hourly Wage, Our Most Vulnerable
マーティ・キーナート
アメリカ滞在中、日本人の友人によく「チップはいくらあげたらいいですか?」と聞かれます。 アメリカやその他世界の多くの国において、特にレストランやホテルなどのサービス業界ではチップを請求額に加えるのは常識の1つです。 私が若い頃は10%のチップでもウエイターやウエイトレスは満足したものでしたが、今はそんなものでは効きません。 昨今は、多くのレストランで請求書をみると、一番下には3本の線があり、貴方のチップが15%の場合はいくら、20%の場合はいくら、 そしてもっとはずみたい人は25%でいくら、とご丁寧に記されているのですから。
日本のようにチップが一般的ではない国の人々にとっては、このシステムがわかりにくいのは当然でしょう。 ましてや日本は、チップがないのにもかかわらずどこのサービスも素晴らしい。
では、なぜ他の国では、チップがなぜそんなに高額でしかもほぼ強制であるのかを説明しましょう。
ウエイターやウエイトレスは、高額のチップだけでも良い給料になることから、州によっては彼らの固定給を 時給2.13ドル(約230円)にまで引き下げる事ができる法律があるのです。 従って、多くのレストラン従業者は、今回のようなコロナウイルスによるパンデミックがおきた場合、 家賃や食料とという生きていく為の最低の保証すら失ってしまうのです。
私はアメリカでこのような人々を救済する活動をしているONE FAIR WAGE というNPO団体を見つけました。 この団体は、2001年9月11日のワールドトレードセンターでの悲劇のテロ事件のあと、職を失った多くの レストラン業界の人々を支援するために設立され、その後20年に渡り今も弱い立場の人々を救済しています。
https://onefairwage.com(ONE FAIR WAGE ウェブサイト)
彼らのウェブサイトは現在このように始まっています。
コロナウイルスの非常事態にてサービス業の人々を救う為の基金
多くのサービス業の従業員は、それでなくても大変であるのに、今回のこの危機のおかげで早急な助けを必要としています。 私たちは、レストラン従業員や、運転手、デリバリー配達員、その他のサービス業の人々を助けたいのです。 どうぞ彼らを助けるための寄付をお願いします。
その他にもお年寄りや困った人々に食料を届ける基金などが次々と立ち上がっています。
Meals On Wheels https://www.mealsonwheelsamerica.org
Feeding America https://www.feedingamerica.org
このような基金は、アメリカがロックダウンされてしまいコロナウィルスのパンデミックに晒されている間、 特にチップに収入を頼っていたようなサービス業の人々を救済するには非常に重要な慈善活動になります。
もちろん多くの日本の従業員はチップで生活しているわけではないですが、日本にも最低賃金の時給で生活している人々は多くいます。 日本でもこの困難な時期にそのような弱者を救う方法が出来るように祈っています。
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マーティ・キーナート
<プロフィール>
アメリカ ロサンゼルス生。1968年スタンフォード大学卒。1969年慶応大学日本語コース修了。以来滞日40余年、一貫して日米を通じたスポーツビジネスに身をおく。2004年「東北楽天ゴールデンイーグルス」の初代ゼネラルマネージャー。仙台大学特命副学長/東北大学特任教授などを歴任。2018年よりプロバスケットボールチーム「仙台89ERS(エイティナイナーズ)」のオーナー代行兼シニアGM就任。
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