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コラム
(6)A Compassionate Coffee Company
マーティ・キーナート
私は、長年スターバックスコーヒーのファンです。それは、深みのあるコーヒーの味や心地よい環境の店作りだけでなく、スターバックス社の思いやり溢れる企業精神にも非常に惹かれるものがあるからです。
スターバックス社は、彼らの世界各国からのコーヒー豆供給者に対して、市場価格より良い条件で取引をすることでも知られています。なぜならばスターバックス社は取引する相手にもより良い生活を与えたいからです。
1997年、この世界第一位のコーヒーカンパニーであるスターバックス社はスターバックス基金というチャリティ基金を立ち上げました。その活動の1つは、特に後進国における自社の取引先に対して、教育、農業のトレーニング、小規模金融や短期融資の提供、さらには多様性生物の保護を改善させるといった様々な手助けを行っているのです。同じ頃スターバックス社は「Ethos Water」という後進国の人々に綺麗な水を供給するという社会活動もはじめています。またスターバックス社は、自社の従業員を手厚くケアすることでもよく知られています。従業員はパートナーと呼ばれ従業員とは呼ばれません。ほぼ全員のパートナーは優良な保険でカバーされ、その有給制度や退職金制度は業界の標準をはるかに超える厚遇度です。さらには全てのパートナーは、6週間の産休制度が適用されしかも例え生みの両親でなくてもそれは適用されるのです。
そしてつい最近、私はスターバックス社が新たに画期的なプログラムを始めたことを知りました。それは、パートナー(従業員)にもそして社会全体にも利益があることです。「スターバックスの仲間プログラム」と呼ばれるそのプログラムは、応募した従業員の中から選ばれた従業員は、スターバックスで働く時間と非営利のチャリティ活動にさく時間を毎月同じように取れるという驚くべき条件です。
スターバックス社は、Points of Lightという世界で最も大きなボランティア組織とタイアップしました。彼らの従業員は毎月就労時間の半分の時間をこの非営利団体のボランティアとして活動することができ、その代わりその間の給料もスターバックス社が支払うというのです。200人以上の従業員がこの試験的な取り組みに応募し、そしてその中から36人が選ばれ現在16の全米の都市にて地域にボランティアとして貢献しているとのことでした。もちろんスターバックス社から給料をもらいながら。。。
社会に真に貢献する企業になる。
日本の企業もスターバックス社に見習うところはないでしょうか。期待したいものですね。
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マーティ・キーナート
<プロフィール>
アメリカ ロサンゼルス生。1968年スタンフォード大学卒。1969年慶応大学日本語コース修了。以来滞日40余年、一貫して日米を通じたスポーツビジネスに身をおく。日米両国においてビジネス、プレイヤー双方の実経験から、日米比較や日本の教育システムにさまざまな問題を提起。2004年「東北楽天ゴールデンイーグルス」の初代ゼネラルマネージャー。仙台大学特命副学長/東北大学特任教授。
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