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インタビュー

川島 隆太(かわしま りゅうた)教授
2008年11月号(第12号)掲載 東北大学加齢医学研究所  川島 隆太(かわしま りゅうた)教授

”脳トレ”ブーム世界へ 脳イメージトレーニングの研究

先生がこれまで研究をなさっていて最も喜び・やりがいを感じたのは、どのようなときでしょうか。

最初の英文原著論文を1993年に出版できた時です。現在では脳機能マッピング研究は、心理学者や言語学者など人文系の研究者が使うほどにポピュラーになりましたが、当時は、測定機器は存在するが、その後に何をどうして良いのかわからない暗中模索の時代でした。そのような中、実験をしてから4年ほどかかりましたが、日本からは初めてとなる脳機能マッピングの論文を出すことができた時は、感慨無量だったことを覚えています。

先生がこれまで研究をなさっていて最も苦労・苦心なさったのは、どのような点でしょうか。

脳科学の研究成果を社会啓蒙する過程で、さまざまな誤解を産んでしまっていることです。一般向けに啓蒙情報の発信をする際に、きちんと理解できるように専門的な情報や複雑な情報はなるべく排除して発信をした結果、それがマスコミのフィルターを通り、より単純化したメッセージに変換され伝わり、結果として、さまざまな誤解を生みだしながら伝達されていたのを知った時にひどく心が痛みました。未だにその対処法がわかりません。




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