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インタビュー

大隅 典子(おおすみ のりこ)教授
2006年春発行号(第3号)掲載 東北大学大学院医学系研究科 大隅 典子(おおすみ のりこ)教授

脳の発生・発達

研究内容

私たちは脳の発生・発達を研究しています。 特に研究材料としてマウスやラットを使用しています。その理由は、脳科学では色々な研究方法、レベルがありますが、私達は脳の中で細胞がどのような変化をきたすか、その際に遺伝子がどんな風に働いているのか、ということを調べたいと思っています。そのような研究に対する材料としては現在のところマウスやラットが最適です。

何故かと言うと、今ポストゲノムの時代と言われていますが、マウスやラットでは遺伝子の一揃いのセットのゲノムが明らかになっていたり、遺伝子を改変した動物が非常に手に入りやすいということがあります。それによって分子レベルの脳科学に進めることができ、遺伝子・細胞・個体、その個体を取り巻く環境のところまで一つのモデルの動物を使って研究することができるのです。

脳の病気に対しての寄与

研究というのは思わぬところで大きなブレイクスルーがあり得ます。例えば私たちが行っている研究で脳の疾患や精神疾患で考えるとすれば、 5年の間に統合失調症いわゆる分裂病の遺伝子が明らかになり、 10年以内には、それが診断に役立つようになるのではないかと思います。

学生時代の思い出

私が学生だったのは20数年前ですが、クラブ活動でテニスをやっていました。テニスを通していろいろな仲間と交流し、体力もつけることができたというのが一番大きなところです。当時の先生には申し訳ないのですが、テニスコートにいる時間と講義室にいる時間のどちらが長かっただろうかという思い出があります。
 最近では教え方も効率がよく、学生さんを引き付けるような講義になってきているので、当時とは大分違うということもありますが。研究そのものの内容とテニス部でのクラブ活動はほとんど接点がないようですが、クラブ活動で体力をつけることができ、研究も体力が必要ということがあります。
 私たちの研究分野はたった一人で実験をして論文を書けるというものではなく、例えばテクニカルスタッフの人や学生さんと教員などいろいろな人たちが協力して研究を進めています。そういったときにクラブ活動やチームでの経験というのが役に立っていると思います。

東北大学同窓生に一言

仙台に来て8年くらいになりますが、とても暮らしやすく食べ物もお酒もおいしく、いいところだと思っています。そういうことを仙台の方たちはあまり外を向いて宣伝されていないような気がして、それはとてももったいないと思います。
 仙台や東北大のすばらしさといったものを、もっともっと日本ばかりでなく世界に向けてアピールしていくことが出来たならば本当にすばらしいと思います。そういった意味で、是非同窓生の方たちも声を上げていただけたら、学内にいる私たちにとっても有り難いことだと思います。





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