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インタビュー

「日本一」の栄冠を手にしたコラボ・パワー

東北大学漕艇部(とうほくだいがくそうていぶ)
●第91回全日本選手権大会 女子ダブルスカル優勝
東北大学漕艇部(とうほくだいがくそうていぶ)

東北大学文学部4年 吉川 由姫

東北大学工学部3年 細田 夏光



日本一を決定するボート競技会「第91回全日本選手権大会」(2013・10・13開催)において、女子ダブルスカル(二人乗り)で東北大学漕艇部(ボート部)の吉川由姫さんと細田夏光さんが優勝しました。実業団・大学の強豪クルーをおさえて、1挺身の差をつけてそのままゴール。先輩男子が何度となく日本一をはじめ入賞を果たしてきた伝統を誇る漕艇部に、女子部が開設されて以来、初めて金メダルを手にする快挙となりました。

OBと川崎町の皆さんがバックアップ

東北大学のボート部は、既に100年の歴史を数えます。1960年のローマオリンピック出場をはじめ、全日本選手権や全日本大学選手権(インカレ)で何度も優勝してきました。こうしたOBの活躍ぶりが、私たちの誇りとなっています。かつては女子部員といえばマネージャーでしたが、ポツポツ選手となる人が出てきて女子部ができました。

私は東日本大震災の後に入部したのですが、この震災はボート部に転機をもたらしました。震災によって、それまで練習場としていた名取市の貞山堀と名取艇庫が使えなくなり、存続が危ぶまれたのです。この時、OBや地域の方々の熱い支援があって、川崎町の釜房湖で練習を再開することができ、艇庫や設備も充実しました。

川崎町は町あげて私たちを応援して下さって、何かと助けられています。背中にあたたかい声援を受けて、練習に励んでいる感じです。私たちの優勝も、町あげて喜んで下さって、町のHPにニュース掲載されています。(吉川さん談)

みんなの後押しで第一位でゴールイン

練習は、週に朝練と夕練の合計9~11回をこなすのがめやすです。陸上系や筋トレ系の基本練習を経て、エルゴトレーニング(オールを握って漕ぐ機器での練習)と水上での乗艇を行います。朝練は、早朝4時30分から始まることもあり、1校時目の授業に間に合うようにしています。

高校時代はバスケットボールに夢中でした。体力に自信はあったもののボートは勝手が違い、水泳も苦手な私のような初心者も何とか頑張れるのが、ウチの部の魅力です。正直言って、学業との両立はなかなか難しいです。でも、あまりそれについて深く考えないで、まずは目の前のやるべきことをやるようにしています。とにかく辞めないで、卒業してから「あの頃が私の青春だった」って言えるようにします(笑)。

そうした日々の中で優勝できたことは、本当に嬉しいです。勝因は、体格が違う吉川先輩と呼吸ピッタリに漕げるよう、オールなどのセッティングがうまくいったことです。コーチの見識の高さが功を奏しました。それと、周囲の人々が励ましてくれてリラックスできたので、精神的に余裕をもって出場できたことも大きいです。

ですから、私たちの優勝は、みんなの後押しがあって実現できたことなのです。厳しい練習も助け合ったり、言い合う時は遠慮しないようにしたり、同じ釜の飯を食べて頑張っているという仲間意識が強いです。(細田さん談)

日本一、世界一をめざして切磋琢磨

入学後まもなく、ボート部の先輩たちから「一緒に日本一をめざそう!」と勧誘されて、この言葉に心動かされて入部しました。私は体力がいま一つなので、何とか技術でカバーできないかと練習に励んだものです。

2年位までは、負けたくないと皆にライバル意識を持っていましたし、コーチの言葉はあまり身に入ってはいませんでした。ところが、3年になって女子部の先輩が居なくなった時に、後輩を育てるまではできなくとも、何とか引っぱっていかなければと思いました。それからはコーチングにスッとついて行けるようになり、ボート競技は体力、技術力にとどまらず、チームメイトとのバランスも大切だということもわかっていきました。とにかく練習を続けた先に、日本一にもなれましたし、アンダー23の選考会にもトライし、結果的に落選したものの世界を視野に入れることができました。

ボート競技の強豪は、早稲田大学などの私立大学や明治安田生命などの実業団がひしめいています。でも、私たちの東北大学はいいコーチ、練習環境にも恵まれて、引けをとっていません。部員たちは、本気で日本一、世界一をめざしたいと切磋琢磨しています。ぜひボート部の今後に期待していてください。(吉川さん談)





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