東北大学出版会は年間刊行点数も10冊を確保し、重版点数も少しずつですが着実に増えています。今回はとくに最新刊4点と近刊1点をご紹介いたします。 樋口晟子氏(東北福祉大学教授)の『家族と個人の相克―平等再考―』(3,000円)は、家族との関わりの中で男女の平等とは何かを問い、個々人の尊厳を守るところにその原点を求めています。東北大学名誉教授のお二人、細谷純氏の『教科学習の心理学』(2,700円)と北村晴朗氏の『全人的心理学―仏教理論に学ぶ』(3,000円)が相次ぎ刊行されました。教師と学習者の間の望ましい関わりを追究してこられた細谷氏の著書は、教育心理学研究や教育研究を志す方々の指針となることでしょう。北村氏は仏教の唯識心理学に範をとり、人間の個々の行動を全体的に解明することをめざす全人的心理学を提唱されています。タッド・ホールデン/阿部宏(お二人とも東北大学助教授)編著『記号を読む』(2,000円)は、日常生活のなかのさまざまな「記号」をキーワードに、言語・文化・社会を読み解こうとしています。加藤尚武氏(京都大学教授)編の『共生のリテラシー―環境の哲学と倫理』(予定価1,500円)は、「環境」問題に真正面から取り組み、「共生」という思想を軸に哲学・倫理学の立場から私たちの生き方に反省と分析を加えています。 新たな世紀の始まりにあたり、小会は明日の日本の指針となる良書の出版普及につとめるべく一層の発展を期しております。お急ぎの方は小会あて直接ご注文ください。なおホームページの充実を図っていますので、ぜひ一度ご覧ください。 ◆〒980-8577仙台市青葉区 |