○国立大学法人東北大学遺伝子組換え実験安全管理規程
昭和56年6月9日
規第38号
国立大学法人東北大学遺伝子組換え実験安全管理規程
目次
第1章 総則(第1条―第4条)
第2章 遺伝子組換え実験安全専門委員会(第5条)
第3章 動物・遺伝子実験支援センター(第6条)
第4章 安全主任者及び実験責任者(第7条―第9条)
第5章 大臣承認実験(第10条―第15条)
第6章 大臣確認実験及び機関実験
第1節 実験室等(第16条・第17条)
第2節 実験計画(第18条―第23条)
第3節 実験の安全確保のための措置(第24条―第29条)
第7章 教育訓練及び健康管理(第30条―第33条)
第8章 異常事態発生時の措置(第34条・第35条)
第9章 雑則(第36条・第37条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この規程は、遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律第3条の規定に基づく基本的事項(平成15年財務省・文部科学省・厚生労働省・農林水産省・環境省告示第1号)に基づき、国立大学法人東北大学(以下「本学」という。)における遺伝子組換え実験(以下「実験」という。)の安全確保に関し必要な事項を定め、もって実験の安全、かつ、適切な実施を図ることを目的とする。
(定義)
第2条 この規程において「大臣承認実験」とは、遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律(平成15年法律第97号。以下「法」という。)第4条の規定に基づき、第一種使用規程についてあらかじめ主務大臣の承認を得なければならない実験をいう。
2 この規程において「大臣確認実験」とは、法第13条の規定に基づき、第二種使用等に当たって執るべき拡散防止措置についてあらかじめ文部科学大臣の確認を得なければならない実験をいう。
3 この規程において「機関実験」とは、法第12条の規定に基づき、研究開発等に係る遺伝子組換え生物等の第二種使用等に当たって執るべき拡散防止措置等を定める省令(平成16年文部科学省・環境省令第1号。以下「省令」という。)において拡散防止措置が定められている実験をいう。
(部局長の責務)
第3条 実験を実施する部局の長(以下「部局長」という。)は、法及びこれに基づく命令並びにこの規程の定めるところに従い、実験の安全確保に努めなければならない。
(実験従事者の責務)
第4条 実験従事者は、安全主任者及び実験責任者の指示に従うとともに、法令及びこの規程を遵守し、実験の安全確保に努めなければならない。
2 実験従事者は、実験の実施に当たっては、あらかじめ、取り扱う生物に係る標準的な実験法並びに実験に特有な操作方法及び関連する技術に精通し、かつ、習熟していなければならない。
第2章 遺伝子組換え実験安全専門委員会
(遺伝子組換え実験安全専門委員会)
第5条 本学における実験の安全確保に関する調査及び審議並びに部局間の連絡調整については、国立大学法人東北大学環境・安全委員会規程(平成16年規第7号)の定めるところにより、国立大学法人東北大学環境・安全委員会遺伝子組換え実験安全専門委員会(以下「委員会」という。)が行う。
2 委員会は、必要があると認めるときは、総長に助言し、又は勧告することができる。
3 委員会は、必要に応じ、安全主任者及び実験責任者に報告を求めることができる。
第3章 動物・遺伝子実験支援センター
第6条 本学における実験の適法性を確保し、及び実験に係る安全管理を推進するため、動物・遺伝子実験支援センターは、委員会が行う調査、審議及び連絡調整等を支援する。
第4章 安全主任者及び実験責任者
(安全主任者)
第7条 実験を実施する部局に、実験の安全確保に関し必要な指導監督を行わせるため、遺伝子組換え実験安全主任者(以下「安全主任者」という。)を置く。
2 安全主任者は、次に掲げる職務を行うものとする。
一 実験が法令及びこの規程に従って適正に遂行されているか否か確認すること。
二 実験責任者に対し、実験の安全確保に関し、指導及び助言を行うこと。
三 実験責任者が行う実験計画の承認申請に当たり、あらかじめ内容を審査すること。
四 その他実験の安全確保に関し必要な事項を行うこと。
3 部局長は、生物災害の発生を防止するための知識及び技術並びにこれらを含む関連の知識及び技術について高度に習熟した当該部局の教授、准教授、講師(非常勤講師を除く。以下同じ。)、助教、助手、特任教授、特任准教授、特任講師又は特任助教のうちから、安全主任者を選任しなければならない。
4 部局長は、安全主任者を選任し、又は解任したときは、総長に報告しなければならない。
(安全主任者の代理者)
第8条 部局長は、安全主任者に事故があるときは、その職務を代行させるため、安全主任者の代理者を選任しなければならない。
(実験責任者)
第9条 実験ごとに、その実験計画の立案及び実施について責任を負う者として、実験責任者を定めなければならない。
2 実験責任者は、次に掲げる職務を行うものとする。
一 実験計画の立案及び実施に際して、法令及びこの規程を遵守し、安全責任者との緊密な連絡の下に、実験全体の適切な管理及び監督を行うこと。
二 実験従事者に対して、当該実験に当たって第30条に規定する教育訓練及び指導を行うこと。
三 その他実験の安全確保に関し必要な事項を行うこと。
3 実験責任者は、実験従事者のうちから定めるものとする。
4 実験責任者に事故があるときは、実験責任者があらかじめ指名する者が、その職務を代行する。
第5章 大臣承認実験
(実験の承認)
第10条 実験責任者は、大臣承認実験を実施しようとする場合には、当該実験計画について、あらかじめ総長に申請をしなければならない。
2 実験責任者は、前項の申請をしようとするときは、別に定める実験計画に関する書類を部局長を経由して総長に提出しなければならない。
第11条 総長は、前条第2項の規定による書類の提出があったときは、委員会の議を経た上で、主務大臣の承認を得るものとする。
(承認等の通知)
第12条 総長は、前条の承認を得たときは、部局長を経由して実験責任者に通知するものとする。
(実験の終了又は中止の報告及び管理措置の承認)
第14条 実験責任者は、大臣承認実験を終了し、又は中止したときは、別に定めるところにより、速やかに部局長を経由して総長に報告するとともに、当該実験の終了又は中止に伴い管理上講ずる措置(以下「管理措置」という。)について、承認申請をしなければならない。
2 総長は、前項の承認申請があったときは、委員会の議を経て、当該管理措置について承認の可否を決定するものとする。
3 総長は、前項の決定を行ったときは、部局長を経由して実験責任者に通知するものとする。
4 総長は、前二項の規定により承認しない旨の通知を行う場合には、併せて管理措置について必要な改善を行うよう要請するものとする。この場合において、当該通知を受けた実験責任者は、これに従わなければならない。
(第一種使用規程の遵守)
第15条 実験従事者は、大臣承認実験の実施に当たっては、当該実験に係る第一種使用規程を遵守しなければならない。
第6章 大臣確認実験及び機関実験
第1節 実験室等
(実験室等の設置)
第16条 部局長は、実験室又は実験区域(以下「実験室等」という。)を設置し、又は変更しようとする場合には、所定の実験室等設置申請書を提出し、総長の承認を得なければならない。
2 総長は、前項の規定により部局長から実験室等設置申請書の提出があったときは、委員会の議を経て、当該実験室等の設置又は変更の承認の可否を決定するものとする。
3 総長は、前項の決定を行ったときは、部局長に通知するものとする。
4 第2項の規定により承認された実験室等の有効期間は、当該実験室等の内容に応じて総長が別に定める期間とする。
(実験室等の廃止の届出)
第17条 部局長は、実験室等を廃止しようとする場合には、所定の廃止届出書をあらかじめ総長に提出しなければならない。
第2節 実験計画
(実験計画の承認等)
第18条 実験責任者は、実験を実施しようとする場合には、大臣確認実験及び機関実験の区分に従い、当該実験計画について、あらかじめ総長に承認申請をしなければならない。
2 実験責任者は、前項の承認申請をしようとするときは、別に定める実験計画に関する書類を部局長を経由して総長に提出しなければならない。
第19条 総長は、前条第2項の規定による書類の提出があったときは、委員会の議を経て、その実験計画の承認の可否を決定するものとする。
2 総長は、前項の規定により大臣確認実験の実験計画を承認したときは、文部科学大臣の確認を得るものとする。
(実験の終了又は中止の報告及び管理措置の承認)
第22条 第14条の規定は、大臣確認実験又は機関実験を終了し、又は中止したときについて準用する。
(他の大学等における実験)
第23条 本学の職員が他の大学等で大臣確認実験又は機関実験を行う場合には、その職員は、あらかじめ、その旨を部局長に届け出なければならない。
2 部局長は、前項の届出があったときは、速やかにその旨を総長に報告しなければならない。
第3節 実験の安全確保のための措置
(実験室等及び実験設備の維持)
第24条 部局長は、実験室等及び実験設備を省令第4条に定めるところにより、維持しなければならない。
(実験室等の表示)
第25条 実験責任者は、実験室等の入口並びに組換え体を含む試料及び廃棄物を保管する設備に当該実験の程度に応じて、省令第4条に定めるところにより、表示しなければならない。
(点検)
第26条 実験責任者は、実験室等及び実験整備の保全の状態を定期的に点検しなければならない。
2 実験責任者は、前項の点検で異常を認めたときは、直ちに必要な措置を講ずるとともに、その旨を部局長及び安全主任者に報告するものとする。
(実験室等への立入り制限)
第27条 安全主任者及び実験従事者以外の者は、実験室等に立ち入ってはならない。ただし、実験室等に実験責任者の許可を受けて一時的に立ち入る者は、この限りでない。
(拡散防止措置の条件の確認)
第28条 実験責任者は、実験従事者に対し、実験開始前及び実験中において、実験に使用する宿主―ベクター系が省令に定める拡散防止措置の条件を満たすものであることを確認させなければならない。
(組換え体等の取扱い等)
第29条 実験従事者は、組換え体を含む試料及び廃棄物の保管並びにその運搬に当たっては、省令に定める拡散防止措置を執らなければならない。
2 実験従事者は、組換え体を含む試料について、盗難及び所在不明が生じないように、特に注意しなければならない。
第7章 教育訓練及び健康管理
(教育訓練)
第30条 委員会は、実験従事者に対し、実験開始前に、法令及びこの規程を熟知させるとともに、次に掲げる事項に関する教育訓練を行うものとする。
一 危険度に応じた微生物の安全取扱いに関する技術
二 拡散防止措置に関する知識及び技術
三 実施しようとする実験の危険度に関する知識
四 事故発生の場合の措置に関する知識(大量培養実験において組換え体を含む培養液が漏出した場合の化学的処理による殺菌等の措置に対する配慮を含む。)
2 前項に定めるもののほか、部局長は、実験従事者に対し、必要に応じ啓発を行うものとする。
(定期の健康診断)
第31条 部局長は、実験従事者が省令第3条の表に掲げるクラス4に属する病原微生物を取り扱う場合は、実験の開始後6月を超えない期間ごとに定期の健康診断を行わなければならない。
(臨時の健康診断等)
第32条 部局長は、実験従事者等に次の各号に掲げる事態が発生したときは、直ちに調査を行い、必要があると認めるときは、臨時に健康診断を行う等の適切な措置を講ずるものとする。
一 組換え体を誤って飲み込み、又は吸い込んだとき。
二 組換え体により皮膚が汚染され、除去できないとき又は感染を起こすおそれがあるとき。
三 組換え体により実験室等が著しく汚染された場合に、その場に居合わせたとき。
四 実験室内又は大量培養実験区域内における感染のおそれがあるとき。
五 健康に変調を来したとき又は重症若しくは長期にわたる病気にかかったとき。
2 部局長は、前項各号に掲げる事態が発生したことにより講じた措置等について、速やかに総長に報告しなければならない。
(健康診断の記録及び保存)
第33条 部局長は、前二条の健康診断の結果を記録し、これを保存しなければならない。
第8章 異常事態発生時の措置
(異常事態発生時の措置)
第34条 実験の安全の確保の考え方に影響を及ぼす知見が得られた場合又は実験中若しくは輸送中の事故等があった場合(以下これらの事態を「異常事態」という。)には、次の各号の定めるところにより、措置しなければならない。
一 異常事態を発見した者は、直ちに実験責任者に通報すること。
二 実験責任者は、前号の通報があったときは、周辺にいる者に異常事態が発生した旨を周知させ、かつ、直ちに応急の措置を講ずるとともに、安全主任者及び部局長に通報すること。
三 部局長は、前号の通報があったときは、必要な措置を講ずるとともに、遅滞なく、総長に報告すること。
(盗難等が生じた場合の措置)
第35条 組換え体について、盗難及び所在不明が生じたときは、次の各号の定めるところにより、措置しなければならない。
一 盗難及び所在不明を発見した者は、極力探索に努めるとともに、実験責任者を通じて安全主任者及び部局長に通報すること。
二 部局長は、前号の通報があったときは、必要な措置を講ずるとともに、遅滞なく、総長に報告すること。
第9章 雑則
(実験の記録及び保存)
第36条 実験従事者は、実験に使用した核酸供与体の種類、宿主、ベクター、遺伝子組換え生物等及び実験を行った期間に関する記録を作成し、これを保存するものとする。
(雑則)
第37条 この規程に定めるもののほか、実験の安全確保に関し必要な事項は、別に定める。
附則
1 この規程は、昭和56年6月9日から施行する。
2 東北大学事故処理内規(昭和45年規第21号)の一部を次のように改正する。
〔次のよう〕略
3 東北大学職員健康安全管理規程(昭和50年規第8号)の一部を次のように改正する。
〔次のよう〕略
附則(昭和57年11月16日規第54号改正)
この規程は、昭和57年11月16日から施行し、この規程による改正後の東北大学組換えDNA実験安全管理規程の規定は、昭和57年8月31日から適用する。
附則(平成3年4月16日規第24号改正)
この規程は、平成3年4月16日から施行する。
附則(平成7年7月18日規第68号改正)
この規程は、平成7年7月18日から施行し、第1条の規定による改正後の東北大学施設整備委員会規程第6条及び第14条第2項の規定、第2条の規定による改正後の東北大学川渡共同セミナーセンター規程第11条の規定、第3条の規定による改正後の東北大学記念資料室設置規程第7条の規定、第4条の規定による改正後の東北大学組換えDNA実験安全管理規程第10条の規定、第5条の規定による改正後の東北大学の共通経費に関する内規第3条第6項の規定及び第6条の規定による改正後の東北大学教官等発明取扱規程第18条の規定は、平成7年7月1日から適用する。
附則(平成8年3月19日規第34号改正)
この規程は、平成8年4月1日から施行する。
附則(平成10年4月9日規第65号改正)
この規程は、平成10年4月9日から施行する。
附則(平成12年3月31日規第62号改正)
この規程は、平成12年4月1日から施行する。
附則(平成13年3月19日規第19号改正)
この規程は、平成13年3月19日から施行し、改正後の第20条の規定は、平成13年1月6日から適用する。
附則(平成14年3月19日規第9号改正)
この規程は、平成14年3月19日から施行し、改正後の東北大学組換えDNA実験安全管理規程の規定は、平成14年3月1日から適用する。
附則(平成16年4月1日規第109号改正)
この規程は、平成16年4月1日から施行する。
附則(平成17年4月1日規第80号改正)
この規程は、平成17年4月1日から施行する。
附則(平成17年11月16日規第182号改正)抄
1 この規程は、平成17年11月16日から施行する。
附則(平成18年3月14日規第27号改正)
この規程は、平成18年4月1日から施行する。
附則(平成19年4月1日規第80号改正)
この規程は、平成19年4月1日から施行する。
附則(平成20年6月23日規第124号改正)
この規程は、平成20年6月23日から施行する。
附則(平成22年3月30日規第35号改正)
1 この規程は、平成22年4月1日から施行する。
2 この規程の施行の日(以下「施行日」という。)の前日までに承認された実験計画において使用を認められた実験室等については、施行日から平成23年3月31日までの間に、改正後の第9条の規定による当該実験室等の設置に係る申請をしなければならない。この場合において、その申請に係る承認の可否が決定されるまでの間は、当該実験室等を使用することができる。
附則(平成23年3月31日規第52号改正)
この規程は、平成23年4月1日から施行する。
附則(平成27年3月23日規第18号改正)
この規程は、平成27年4月1日から施行する。
附則(令和3年4月27日規第67号改正)
この規程は、令和3年4月27日から施行し、改正後の第6条の規定は、令和3年4月1日から適用する。
附則(令和5年11月29日規第123号改正)
この規程は、令和5年11月29日から施行する。