東北大学総長 冨永 悌二
東北大学は、明治40年(1907年)の建学以来、一世紀以上の歴史を有する総合大学として、「研究第一主義」の伝統、「門戸開放」の理念、及び「実学尊重」の精神のもと、多くの指導的人材を輩出し、また研究成果を挙げてきました。
研究第一主義を理念に掲げる本学は、技術革新を生み出して現代の社会を形づくる大きな変革を促し、また東日本大震災を経験した総合大学として、災害科学及びその関連分野で世界を先導しています。世界の様相が激変する中にあって、高い水準の教育と研究を一層発展させ、社会に貢献することが、本学には求められています。
このような中、本学は令和5年9月には日本を先導する世界最高水準の研究大学を支援強化するため、日本政府がスタートした全く新しいプログラムである「国際卓越研究大学制度」の唯一の認定候補になりました。この制度はこれまでの研究大学の枠組を大きく変革し、世界の有力大学と国際的な舞台で伍して人類社会の発展に貢献する卓越した大学の実現を目的としたものです。今回、東北大学が最終候補となったことは、私たち構成員が一丸となって世界に向けたプランを打ち出し、それを推進していく確固とした決意を示したことが評価されたものです。
ここで私たちに求められることは、「世界最高水準の知を創造」することであり、「未来を拓く変革を先導」することであると考えます。これらの実現のため、職員の役割はこれまで以上に重要になっています。大学経営のプロフェッショナルとして、教員と連携し協働して本学を運営いただく皆さんの若い力、柔軟な発想は東北大学をより時代や環境の変化に適応したものとするエネルギーとなると考えています。変化に柔軟に対応し、積極的に企画立案に関わっていく、そのような人材を求めています。
本学は「職員の成長」を大切に考えています。「職員個々人の成長」を伴わない「組織の発展」はないからです。自ら学び、考え、成長する意欲のある方には、様々な可能性が広がる職場です。一人でも多くの皆さんに、本学職員への扉を叩いていただくことを期待しています。