キャンパス散策

農学部附属農場の紅葉


 仙台から北西に約70km、陸羽東線川渡温泉駅から車で5分のところに東北大学農学部附属農場があります。自然豊かな鳴子町、宮崎町、花山村にまたがる広大な農場は、東京ドーム500個に相当する2200haの敷地を有し、近くには川渡・鳴子温泉を控え、放牧地に放たれた牛や羊の群れを見ながら雄大な自然に親しむことができます。
 その歴史は古く、明治17年創設の陸軍軍馬育成場が前身で、馬の逃亡を防ぐ土塁が今でも名残として残っています。
 農場では牛、緬羊、鹿などを飼育し、水稲、馬鈴薯、小豆、にんにく、梅などを作付けし、また、しいたけ、まいたけの栽培も行われ、農・畜・林一体の生産を行い教育・研究の成果をあげています。同じ敷地には、共同生活をしながら研修を行える東北大学川渡共同セミナーセンターもあり、自然を満喫しながら学生は演習・研究などを行っています。
 農場内にはニホンカモシカが生息しており、春は桜や山菜を求めて町民の方々が自然を楽しみ、散策する姿があちこちで見られます。これからの季節はブナ林やコナラ、ミズナラ、ハルニレ林など紅葉の季節を迎えます。農場の秋は黄金波(稲穂と黄葉)から始まり、やがてそれぞれの木々が紅葉(山ウルシ、ウリハダカエデなど)、黄葉(タカノツメ、カツラなど)褐葉(ブナ、コナラなど)となり、常緑の緑葉(マツ、スギなど)と織りなし全山が一年のクライマックスを迎えます。

 三枝正彦(農学部附属農場教授)




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編集後記

 「まなびの杜」も創刊から既に1年半以上が経過しました。この間、学外の多方面にわたる皆様から、「まなびの杜」にたいする率直なご意見やご感想を数多く頂戴致しました。有難うございます。また、その中で沢山の激励や提言を頂きましたことについて、編集委員として、改めて感謝申し上げる次第です。
 近年の大学を取り巻く状況は、独立行政法人化の問題などをはじめとして、課題が山積しており、大学に急激な変革を迫っています。この過程の中で、多くの大学関係者が、大学と地域、そしてそこに住む市民との関係の重要さを再認識し始めています。残念なことに、これまで大学は、市民にとって中味を知ろうにも、その姿のよく見えない「ブラック・ボックス」のような存在でした。大学のどこに行けば、誰に逢えて、何がわかるのか。そうした素朴な疑問にきちんと答えていくことが、いまの大学に求められています。まだまだ不十分かもしれませんが、「まなびの杜」が、そうした疑問に答える一助になれば幸いです。これからもさらに「面白い」内容を企画しています。どうぞご期待下さい。

(まなびの杜編集委員会委員 大滝 精一)