2011・02・09
赤血球産生の新しい仕組みを発見 ─脳貧血や骨髄異形成症候群の治療法開発に寄与─ |
2011・02・11
恐竜の前足の指と鳥類の翼の指は同じもの ─150年続く指論争に終止符を打つ発生研究─ |
(財)東京都医学研究機構東京都臨床医学総合研究所の小松雅明研究員、本学大学院医学系研究科医化学分野山本雅之教授らのグループは、遺伝子改変マウスを用いた実験により、たんぱく質修飾活性化酵素Uba5が血液産生に直接関与するという赤血球産生の仕組みを発見しました。造血の異常は、脳貧血や骨髄異形成症候群を引き起こし、これらの発症にこの酵素が関与している可能性を見出しました。この成果は、2月8日に英国科学専門誌 Nature Communications オンライン版に掲載されました。 |
鳥類は恐竜の一部から進化したとされています。しかし、恐竜の前足の3本は第1-2-3指であるのに鳥類のそれは第2-3-4指である、というパラドクスが課題視されてきました。本学大学院生命科学研究科の田村宏治教授と大学院生・野村直生さんらは、発生学的解析から鳥類の翼の3本の指が第1-2-3指として形成されていることを証明し、この問題を解決しました。この研究成果は鳥類恐竜起源説の強力な証拠となることから、2011年2月11日発行の科学雑誌 Science に掲載されました。 |
2011・03・07
細胞記憶形成に寄与する新しい酵素複合体の発見 ─がん化機構の解明や細胞分化誘導へ期待─ |
2011・05・30
世界で初めて超強力磁場中の軟X線分光実験を実現 ─レアアースを低減した高性能磁石開発を加速─ |
本学大学院医学系研究科ならびにグローバルCOEプログラムNetwork Medicine創生拠点の五十嵐和彦教授、加藤恭丈助教らは、アミノ酸代謝酵素複合体がヒストンメチル化を制御することを発見しました。ヒストンメチル化は細胞の分化状態を規定し、その乱れが発がんにつながります。この複合体に関する研究は今後、がん化機構の解明や細胞分化誘導などに役立つと期待されます。この発見は米国の学術誌 Molecular Cell の3月4日号に発表されました。 |
本学は、高輝度光科学研究センター、東京大学物性研究所などと共同で、大型放射光施設SPring-8の軟X線固体分光ビームラインBL25SUにおいて、21テスラ(=21万ガウス)の超強力磁場を用いた軟X線分光実験に世界で初めて成功。強力なネオジム磁石を含むほぼ全ての実用磁気材料について軟X線磁気円二色性(MCD)による磁気分析を可能にしました。本成果は、2011年5月24日に日本応用物理学会の英文雑誌 Applied Physics Express オンライン版に掲載されました。 |
2011・07・13
鉄系高温超伝導体の超伝導阻害因子を発見 ─高い超伝導転移温度の新物質開発に道筋─ |
2011・07・19
地球反ニュートリノ観測で「地球形成時の熱の残存」が判明 ─放射性物質起源の熱生成は地表の熱流量の約半分─ |
本学大学院理学研究科の中山耕輔助教と同原子分子材料科学高等研究機構の高橋隆教授らは、ボストン大学および中国科学院物理研究所と共同で、鉄系高温超伝導体において、超伝導転移温度(Tc)を抑制している原因の解明に成功しました。この結果は、高温超伝導のメカニズムを解明し、新エネルギー技術の実用化に向けて重要な、高いTcを持つ超伝導材料の開発に大きな進展をもたらすものと期待されます。この成果は、7月12日に英国科学雑誌 Nature Communications オンライン版で公開されました。 |
本学ニュートリノ科学研究センターは、液体シンチレータ反ニュートリノ観測装置カムランドでの長期観測により、地球内部の放射性物質起源反ニュートリノの測定精度を大幅に改善しました。地表での熱流量との比較から、放射性物質が地熱の生成に占める割合は半分程度であるということを世界で初めて実測することができました。これにより、地球形成時の原始の熱がいまも残っていることを示しました。この成果は、7月18日に Nature GeoScience 電子版に掲載されました。 |
2011・07・22
超精密3D原子像が見える電子顕微鏡技術を開発 ─材料解析技術の新展開に寄与─ |
2011・08・01
動脈硬化の新たな分子機序を解明 ─心筋梗塞・脳梗塞などの予防・治療に応用─ |
本学金属材料研究所の林好一准教授らは、電子線を物質に照射することによって、3D原子像を可視化できる「逆X線光電子ホログラフィー」を提唱し、その技術を確立しました。この手法は、原子番号の小さい元素の微細な揺らぎまでも再現できるため、今後のエネルギー材料や代替希少元素の探索などに対して、重要な知見を提供し、また構造解析の分野に新しい展開をもたらす革新的な技術と言えます。本研究は、株式会社堀場製作所と財団法人高輝度光科学研究センターとの共同で行われました。本成果は、7月21日に米国物理学会誌 Physical Review Letters オンライン版に掲載されました。 |
本学大学院医学系研究科代謝疾患医学コアセンター・片桐秀樹教授、高俊弘助教、分子代謝病態学分野・石垣泰准教授らのグループは、小胞体(細胞質内に網状に連なる膜性の袋状細胞小器官)のストレスによって誘導されるCHOPと呼ばれるタンパク質が、動脈硬化の発症に大きく関与していることを解明しました。この研究成果は、動脈硬化発症の新たな分子メカニズムとして世界から注目を集め、米国専門誌 Circulation 誌8月16日号に掲載されました。 |
Award-Winning 栄誉の受賞
01/24 学際科学国際高等研究センター・八百隆文客員教授が第60回河北文化賞(産業部門)を受賞 |