写真は、宮沢賢治の童話『銀河鉄道の夜』の舞台となった夏の天の川です。最上部のはくちょう座から、七夕の織姫(こと座のベガ)と彦星(わし座のアルタイル)の間を通り抜け、いて座・さそり座に流れ下ります。銀河鉄道は、この天の川に沿って、北十字(はくちょう座)やさそりの火(さそり座のアンタレス)などを眺めながら南に向かって走ります。 都会では街明かり(光害)のために絶滅した天の川ですが、良く晴れた月の無い夜、光害の無い所では意外に鮮やかに見えるものです。特に、夏は明るく見えます。また、毎年八月十三日前後にはペルセウス座流星群がピークを迎え、時々流れ星が天の川に合流する風景が見られます。 天の川は光る雲のように見えますが、その正体は数千億の星やガスが円盤状に集まった巨大な構造で、銀河系と呼ばれます。写真には、天の川に沿って複雑に入り組んだ黒い模様が目立ちますが、ガスや塵などの星間物質が星の光をさえぎってできる影、暗黒星雲です。このようなガスや塵が重力によって収縮し星が誕生します。 東北大学では、早くから星間物質や銀河系の先駆的な研究が行われ、現在も銀河系の構造や進化に関する研究が盛んに行われています。また、宮沢賢治ゆかりの水沢緯度観測所は国立天文台水沢(VLBI)観測所に進化し、電波望遠鏡の広域ネットワーク(VLBI)による銀河系の三次元地図作成プロジェクトが、東北大学出身者も参加して進行中です。 |
東北大学名誉教授、仙台市天文台台長 |
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