大学院教育の国際化 |
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国際文化研究科とは 『まなびの杜』をご覧になっている皆さんの中には、東北大学に国際文化研究科という組織があることをご存じでない方があるかもしれません。国際文化研究科は、平成5年に発足した、東北大学では比較的新しい大学院研究科で、博士前期2年の課程(修士課程)と、博士後期3年の課程(博士課程)で構成されています。その名の示すとおり、世界各地の地域文化の研究、あるいは文化間の相互交流の研究、そして文化交流を媒介する言語の研究などを中心に、学際的な研究と教育を推進することが研究科の目的となっています。 しかし、そうは言ってもなかなかすぐにイメージが湧かないと思いますので、ここでは研究科の名称と重ね合わせて、「国際化」という視点から私たちの教育・研究活動の一端を紹介したいと思います。 留学生の増加 国際文化研究科が他の研究科(大学院)と違うところは、在籍する大学院生に占める留学生の割合が高いということが言えます。次にあげる図は、ここ5年間の、博士前期課程に在籍する留学生と日本人学生の比率を示したものです。在籍者の約半数を外国人留学生が占めていて、その数は増加傾向にあることがわかると思います。また、次の表は留学生の国・地域別の内訳(2008年3月現在、研究生を含む)を示したもののです。半数以上が中国、次いで韓国、モンゴルの順になります。 語学教育の充実 さて、このような学生の構成とも関係しますが、国際化する研究活動を支援するために研究科では語学力を伸ばすための取り組みを始めました。具体的には、平成18年度から、「研究のための英語スキル」「研究のための日本語スキル」という実践的語学力を高めることを目的とした授業を大学院の共通科目の中に開講しています。「英語」の方は主に日本語を母語とする学生、「日本語」の方は主に外国人留学生を対象にした授業で、学生が研究活動を行っていくために必要な外国語での論文作成能力とプレゼン能力を育成します。大学院でこのようなスキル中心の語学授業はあまり行われてきませんでしたが、これから国際競争力を持った人材を育てていくためには必要な取り組みと考えています。 大学院連携国際教育プログラム 次に、「ヒューマン・セキュリティ連携国際教育プログラム」があげられます。この教育プログラムは、国際社会において人々の生命を脅かす深刻な問題である貧困、災害、紛争、環境衛生、食料危機などに専門的に対処できる知識と広い視野を持った人材を育成するために、東北大学の医学系、農学、環境科学、国際文化の四研究科が連携して教育を行うプログラムです。このプログラムは入学から卒業まですべて英語で行われるのが特色で、即戦力のある専門家を育てるのが目的です。
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おの なおゆき 1959年生まれ 東北大学大学院国際文化研究科 教授 専門:言語学、言語コミュニケーション論 http://www.intcul.tohoku.ac.jp/ |