仙台市米ヶ袋の静かな住宅地に本多光太郎元東北大学総長の旧邸宅があり、「本多会館」として保存されています。本多光太郎は1916年に設立された現在の東北大学金属材料研究所の教授および所長を務め、鉄や金属に関するさまざまな重要な研究を発表し、「鉄の神様」と呼ばれました。また、1931年からは東北大学総長として日本の科学技術を世界的なレベルに引き上げました。
 本多会館は総木造で、現在は東北大学の職員集会所としても利用されています。広瀬川に続く広い庭の一角にある展示室には、本多光太郎の遺品や資料が展示されています。また、近くには「阿部次郎記念館」もあり、このあたりを歩くと一昔前にタイムスリップした気分になります。
 なお、本多光太郎の遺品や資料は東北大学の片平キャンパスにある金属材料研究所内の「本多記念室」にも展示されており、「本多会館」とともに、本多光太郎の活躍した大正から昭和の仙台の様子も知ることができます。


東北大学金属材料研究所
材料科学国際フロンティアセンターセンター長
前川 禎通

 


 

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『まなびの杜』は3月、6月、9月、12月各月月末に発行する予定です。
『まなびの杜』編集委員会委員(五十音順)
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佐藤 伸宏 高井 俊行 田邊 いづみ 堀井 明 山添 康
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編集後記

 最近、英国BBC放送の報道番組でエネルギー問題が論じられました。コメンテーターの一人は石油に代わる新たな燃料の開発を謳い、もう一人は消費生活の見直しを提言していたように記憶しています。前者は科学技術の、後者は思想・教育の役割が大きいようです。どちらの方法がより有効か現時点ではわかりませんから、両方試してみるのが合理的でしょう。しかしそうは言っても、国や地域を越えて情報を皆で分かち合い、実践に移すのは容易ではありません。あわてて成果を求めるのではなく、腰を据えてじっくりと広い視野に立って先を見通す想像力を養ってみるのもよいのではないでしょうか。
 2005年4月から一年余り『まなびの杜』の編集に携わり、この間いくつもの優れた研究成果を世に発信することができました。あちら立てればこちらが立たずの難題を抱える21世紀にあって、グローバル社会のリーダーシップを担う総合大学の使命は、これから益々重くなりそうです。『まなびの杜』が、世界水準の「知」を市民の目線で伝える、その手助けになれば幸いです。

『まなびの杜』編集委員会委員 川名 洋

 


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