東北の春をいち早くメッセージ

ネコヤナギのおばな

 理学部附属植物園には、世界一といえるヤナギ科植物のコレクションがある。故木村有香名誉教授(初代園長)はヤナギの分類学の第一人者で、その研究は世界的な評価を集めた。木村先生の熱意を受け継ぎ、彼のコレクションを基に継続して蒐集。現在では、押し葉標本が約61,400点(新学名の基になった基準標本が96点含まれる)、さらに約200種1,000株が園内に栽培され、植物園の顔ともなっている。ネコヤナギの花はおばな(雄花序)が大きく、花びらはない。細長い雄しべが伸びだして黄色い花粉を一杯につける。光にきらめく愛らしい姿が、寒さで縮こまっていた心に真先に春の訪れを告げてくれる。

(理学部附属植物園長 鈴木三男)