田中耕一氏(工学部卒業生)がノーベル化学賞を受賞
総長談話(2002/10/9)
本学卒業の若手研究者がノーベル賞の栄誉を与えられたことを大変嬉しく思う。田中耕一氏は、昭和58年に電気工学科を、安達三郎名誉教授のもとで「損失性媒質とダイポールアレイの組み合わせによる平面波の吸収」というタイトルの卒業研究を行って卒業している。物質の電磁波吸収特性の研究である。このたびの受賞研究は、より波長の短い電磁波であるソフトレーザーの吸収が、たんぱく質分子をばらばらにすることを見出し、新しい生体高分子の質量分析法を開発したもので、大学での教育と研究の経験が少なからず役立っていると思われる。同氏の能力を若くして先端研究に向けた島津製作所R&Dの研究体制もすばらしいが、教育と研究を通じての人材育成が短期間に世界最高の賞賛につながったことは大学にとってこの上ない励みである。心からお祝い申し上げる。
東北大学総長 阿部博之