川崎町民の方々と競技用ボートに乗艇する様子
日ごろより東北大学漕艇部をご支援くださり、誠にありがとうございます。東北大学漕艇部は旧制二高の時代より歴史を紡ぐ部です。1960年には東北大学クルーが日本代表としてローマオリンピックに出場、1978年に全日本選手権エイトで優勝、全日本大学選手権(インカレ)エイトでは1975年、1978年~1980年、1995年の計5回の優勝を果たしています。近年では、2013年のインカレ男子エイト4位、2014年の女子舵手付きクォドルプル3位を始め、全日本の大会で数々の入賞を果たしています。また、2006年7月にベルギーで開催されたワールドU23レガッタに2名の選手を日本代表として派遣しました。創立は1895年であり、来年は創立125周年の節目の年を迎えます。
私たち東北大学漕艇部はボート競技で日本一、そして世界を本気で目指している集団です。2011年から男子部と女子部の二部制に体制変更をし、男子部では「全日本大学選手権(インカレ)」のエイト種目での優勝、女子部では舵手付きクォドルプル種目での優勝を目標に掲げ、日々練習に励んでいます。
さて、漕艇部では隔年に1回、宮城県川崎町におきまして、北海道大学漕艇部との定期戦を実施しております。定期戦開催に合わせまして、実際に地元川崎町の方に競技用ボートに乗艇していただき、ボート競技を素肌で実感していただくとともに、行事を通じて、日頃ご支援ご声援をいただく町内の皆様と漕艇部員との交流を図っております。企画助成では、町民の皆様の乗艇時安全確保のため、経年劣化を起こしていた桟橋及びウィンチハンドルの修繕を行いました。水上競技には常に危険がはらんでおります。申請の段階ではライフジャケットの購入を検討しておりましたが、改めて優先順位を検討した結果、より危険度の高いと思われる上記2ヶ所の修繕費用に充てさせていただいた次第です。皆様のご支援のおかげで、町民の皆様により一層安心してボート競技を体感していただけるようになりました。皆様のご厚情に心より感謝いたします。
2011年に起こった東日本大震災は皆様の記憶にも新しいことと思いますが、私たち東北大学漕艇部もその影響を大きく受けました。それまで練習水域として利用していた、名取市の貞山堀と名取艇庫は、海沿いに位置していたために津波の被害に遭いました。幸いなことに部員は全員無事でしたが、艇庫の周りは瓦礫や土砂で埋まり、練習どころか生活すらもままならない状態となりました。練習環境を探していましたところ、川崎町の皆様のご支援のおかげで、宮城県川崎町にある釜房ダムを新たな練習拠点とすることができ、いまに至っております。漕艇部が震災後も変わらず練習に打ち込むことが出来るのも、快く受け入れてくださった川崎町の皆様のおかげです。北海道大学漕艇部との定期戦では、日頃の感謝を町民の皆様にお伝えする大切な機会となっております。
震災の苦しみを乗り越え、頂点を目指し続けることができるのも、支えてくださる皆様のお力があってのことです。部員一同、一生懸命練習に打ち込める環境に感謝して、精一杯活動しております。これからも全員で勝利へ向かって努力を重ねてまいりますので、今後とも皆さまの応援をどうかよろしくお願いします。