寄せられた意見・要望と回答

投稿日時:2026/02/06 23:53

研究費支援方針に関する件 (【要望・再検討のお願い】研究費支援方針に関する件)

【歯学研究科 大学院(博士・後期)】

拝啓
時下、ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
私は東北大学大学院に在籍しております、***(個人名のため伏せております)と申します。
日頃より、世界をリードする「研究第一」の精神を掲げる本学の門下生として、高い志をもって日々研究に励んでおります。本日は、現在進行中の研究遂行に直結する支援制度の変更につきまして、一学生としての切実な思いと、本学の将来に対する強い懸念をお伝えしたく、筆を執らせていただきました。

【東北大学への誇りと、現在の深い失望について】
まずお伝えしたいのは、私はこれまで東北大学の学生であることに深い誇りを持ってまいりました。学外で本学の政策を疑問視する声があれば、常に母校の正当性を信じ、学生の立場から据理力争してまいりました。しかし、この度、入学時に約束されていた「四年間の研究費支援」および「学費免除措置」が、事前の合意なく一方的に変更されたとの報に接し、その誇りは今、深い困惑と筆舌に尽くしがたい絶望へと変わりつつあります。

【契約精神と信義則に関する抗議】
私が本学への進学を決断し、長期的な研究計画を構築した前提には、大学側から公式に提示され、双方が合意した条件が存在しておりました。これは単なる期待ではなく、私の学業、研究、そして生活設計のすべてを支える根幹となる合意事項です。

研究がすでに進行し、実験系や体制が確立された段階において、これらの条件を一方的に反故にすることは、学術機関として本来重視されるべき「契約精神」および「信義則」に反するものであると考えざるを得ません。

【研究の一貫性への致命的な影響】
研究活動、特に実験系研究においては、一貫した資金的支援が不可欠です。私にとって研究費支援は補助的なものではなく、研究を成立させるための基盤条件です。これが当初の計画通りに履行されなければ、データの非連続化を招き、これまでの成果の学術的妥当性そのものが損なわれる恐れがあります。生活費が維持されていても、研究費が剥奪されることは、研究者としての翼を奪われることに等しい事態です。

【大学の信誉と将来への不透明性】
もし、今回のような「既定条項の事後的な変更」が許容されるのであれば、今後提示されるいかなる新制度も、学生にとっては「いつ梯子を外されるか分からない不安定なもの」に映ります。今回研究費が改変されたのであれば、次は他の待遇も同様に変更されるのではないかという拭い去れない不信感が、今、研究室全体に広がっています。一度失われた「大学への信頼」を取り戻すことは容易ではありません。

【研究費の適正な使用について】
なお、これまで受けてきた研究費につきましては、すべて研究目的のみに厳正に使用しており、一切の浪費はございません。支出内訳や購入記録等は、必要であればいつでも開示する用意がございます。私は常に強い責任感と倫理意識をもって管理を行ってまいりました。

【結びに代えて】
以上の点から、貴学に対し、当初合意された四年間の研究費支援および学費免除の方針を尊重し、原計画通りに履行していただくことを強く要請いたします。

本書面は対立を目的とするものではなく、誠実に責務を果たしてきた立場から、本学が研究者と学生の努力に応える誠実な判断を下されることを信じ、真摯な再検討を求めるものです。

ご多忙の折、誠に恐縮ではございますが、本件につきご高配を賜り、正式なご回答をいただけますよう伏してお願い申し上げます。

敬具

回答日時:2026/03/27 10:31

回答

【学生支援課経済支援係より】

 「学生の声」に投書いただきありがとうございます。お問い合わせいただきました研究費および授業料免除の運用変更について、今回の制度改正の目的を含め、以下の通り回答いたします。

1. 制度改正の目的
 博士人材の育成は、本学が将来にわたり学術の発展と社会への貢献を果たしていくうえで、極めて重要な使命です。本学はこれまでも、博士課程学生が安心して研究に専念できる環境整備に努めてまいりましたが、昨今の研究環境の変化や社会的要請を踏まえ、次代のイノベーションを担い世界で活躍する卓越した研究者の育成と、多様なセクターへの高度専門人材の供給を担うため、より一層充実した支援体制を構築する必要があると判断いたしました。
 そのため、対象となるすべての博士課程学生に、一定の支援を届けることが重要であると考え、制度の見直しと新制度(総合的な支援パッケージ)の開始を決定いたしました。
今回の制度改正は、決して支援を削減するものではありません。むしろ、支援対象者はこれまでの2倍に拡大いたします。より多くの学生に支援が行き渡る環境を整えるための再編であることを、何卒ご理解いただけますと幸いです。

2. 研究費について
 RISEによる支援を受けている学生は、新制度においても現在と同様の研究奨励費を支給します。一方、研究費は現在一律に支給しておりますが、対象となるすべての博士課程学生による公募型の旅費重点支援制度に変更します。これはこの度、新たな支援制度とすることに伴い、学生が海外の学会での発表等に参加する機会を得られるようにするためです。
 なお、旅費支援のうち、一部は研究費として使用できるようにする予定です。

3. 授業料免除について
 授業料免除につきましては、募集要項および実施通知にて「免除の対象となる場合がある」「支援額は、予算額および対象人数に応じて決定する」と明記しておりましたとおり、将来にわたる免除を確約するものではございませんでした。今回の見直しは、博士課程全体を支援の対象とするという基本的な考え方のもと、免除対象者の範囲を再検討したものです。この見直しにより免除対象外となる学生が生じることは大変心苦しい限りですが、これは研究奨励費等の他の支援制度との役割分担を整理した結果であり、博士課程全体を包括的に支える仕組みへの移行を図るものです。何卒ご理解いただけますと幸いです。

[ 戻る ]