教育研究ハラスメントの例示

 (1) 修学・教育上の権利の侵害

  @教育的指導の不当な拒否及び放置
   ・求められた教育的指導を正当な理由なく拒否する。
   ・修学上必要な教育的関与を、修学に支障をきたす限度を超える期間に  
    わたり一切行わない。

A修学上の不当な要求
 ・常識的に不可能な課題達成を強要する。
 ・長期にわたり休息不可能な、あるいは健康を害する可能性がある程度 
  の努力の継続を強要する。

B学位取得論文の提出に研究科内での申し合わせ等による基準を著しく逸
 脱した条件の要求
 ・当該分野の学会誌等の査読付論文に関する基準を上回っていても学位
  論文の執筆をゆるさないと言う。

C自由な進路選択の侵害及びそのおびやかし
 ・学生に、他大学、他研究科、他研究室への進学や異動をゆるさないと
  発言する。あるいは、誓約を求める。
 ・個人の選択による就職先に対して不当な介入を行う。あるいは影響を
  与えるとおびやかしの発言をする。

D不当な評価及び発言
 ・成績の不当な評価を行う。あるいは評価に無関係なことがらを成績に
  結びつける発言をする。
 ・自分一人の権限の範囲外であるのにもかかわらず、自分が評価を左右
  するとのおびやかしの発言をする(“私が卒業させないぞ”など)。

E教育上の権利の侵害
 ・正当な理由なく授業を担当させない。
 ・正当な理由なく学生の指導を行わせない。

Fチームからの不当な排除
 ・当然加わるべき研究や教育チームから不当に排除をする。
 ・研究室の他のメンバーに対して正当な理由なく関係の断絶をするよう
  に言う。

2)研究上の権利の侵害

@研究活動の不当な制限や要求
 ・設備など研究資源の不当な利用制限をする。
 ・研究発表活動(論文や学会発表、その他の著述等)を不当に制限す
  る。
 ・経済的に困難な程度の学会活動を要求する(経済的裏づけのない国際
  学会参加等の強要)。

A業績やアイデアの不当な帰属等
 ・論文や学会発表等で貢献度とは著しく乖離した著者構成を強要する。
 ・個人的アイデアによってはじまった未発表の研究を了解なく他の者に
  行わせる。

3)就業上の権利の侵害

  ・身体的な攻撃(暴行・傷害行為)を行う。
  ・書類を投げつけたり他の教職員の前で一方的に恫喝するなど、人格的・
   精神的な攻撃(脅迫・名誉棄損・侮辱・暴言等の言動)を行う。
  ・回覧物を回さない、発言を無視するなど、職場内で孤立させ仲間外し
   (人間関係からの切り離し)を行う。
  ・業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことを強制(過大な要求)
   したり、あるいは故意に必要な情報を与えないなどにより仕事の妨害
   をする。
  ・業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じ
   る。あるいは合理的理由なく仕事を与えない(過小な要求)。
  ・私的なことに過度に立ち入る(個の侵害)。
  ・業務に関して著しく不公平・不当な評価を行う。あるいはそのおびや
   かしの発言を行う。
  ・昇進や評価を左右する権限を自分が持っているなどと、おびやかしの
   発言をする。

4)上記(1)(2)3)に共通する権利の侵害・不適切な言動によるおびやかし

  @人格を否定する発言
   ・お前のようなダメな(無能な)人間は大学をやめてしまえ(やめさ
    せてやる)など
   ・修学 、教育、研究、業務とは関係のないことがらについて著しく精
    神的に傷つける発言を行う。

  A教育・研究・就業とは乖離した場での私的関係や負担の要求
   ・自分の支持する思想 、宗教への関与を求める。
   ・自分の私生活、私的な活動への参加や協力を強く求める。